ビジネスの世界では、企業や団体、個人問わず様々な不始末や事件起こっています。
そんなとき、注目されるのは、事件発生後の謝り方とその後の対応方法です。
事件発生後の発言とその後の対応の悪さが原因で、事件の深刻さをを何倍かに
膨らませている場合があります。
一方、逆に、適切な対応で、「さすが」と世間に好印象をアピールしている場合があります。
さて、そんな、大きなニュースとは異なりますが、
我々中小企業やサラリーマンにとっても、クレームやミスと行った事件はつきもの。
それらをどんな風に乗り越えるのかは重要な問題でしょう。
そんな問題のひとつ、わび状や始末書の書き方を考えてみましょう。
始末書は社内のルールとして提出を義務付けていたり、規定の様式を準備しているような
会社もありますが、目的は、不始末や事件の状況と原因を報告し、わびると共に、
再発の防止を宣誓するための文書です。
わび状は、広く社内社外に対する謝罪の意味の文書を言いますが、
ビジネスの世界で言うわび状は、始末書と基本的に同じものと考えて良いでしょう。
※ なお、良く似た言葉である
※ →「顛末書」についてはこちらを参照してくださいわび状や始末書の基本構成
1)宛先
誰に対する文書なのか、宛先を大切です
社名や部署名、氏名等、誤記等しないように特に注意しましょう
2)文書名、タイトル
タイトルは、相手から指示があったらそのタイトルに従いましょう
特に文書名の指定がない場合や自主的に書類を提出する場合には、
状況と文書内容に応じた対応が必要です
「文書名、タイトルには、発信者の気持ちが出ている」と考えても良いでしょう。
(例)
○○に関するお詫び
○○に関するお詫びと再発防止策の報告
例えば、相手が、謝罪を求めているにも関わらず、
「○○に対する報告書」では、謝罪の意味が含まれておらずNGです
また、対策や再発防止策も求めているにも関わらず、謝罪だけでもNGです
3)あいさつ文
社内文書であればあいさつ文は不要の場合も多いでしょう。
社外文書の場合は、簡単に短く日頃のお礼を述べることが一般でしょう。
(但し、状況によっては入れない方が良い場合もあり)
(例)
拝啓 日頃は平素は格別のお引き立てにあずかり、ありがとうございます。
また、あいさつ文の後、早めに、まず最初のお詫びの言葉を入れることが大切です。
4)不祥事や問題の事実の記述
事実・・・いつ、どこで、誰が、何を、どのように
結果・・・どんな不都合を招いたか
固有名詞や時間や数字など正確に記述すること
不祥事や問題の事実を正確に把握していることをしっかり述べます
(悪い例)
今回のことでご迷惑をお掛けし申し訳ございませんでした
今回のことが何なのか、何に対して謝っているのかわからない
5)原因とお詫び
問題状況の原因と、その原因を招いたお詫び
(何についてわびているのか明確にすること)
(例)
今回の事件は、当社の担当者の作業ミスと監督者のチェックミスによるもので、
誠に申し訳ございませんでした。
(原因の書きようがないような場合の書き方)
このような不始末は、常識を逸脱した行動であり、誠に申しわけなく、
お詫びの申しようもございません。
6)今後の対策と行動
現在発生している問題をどうするのか、再発防止策はどうするのかを明言します。
具体的な対策については、結びの謝罪の文書の後に、箇条書きにする方法もあります。
例
今後はこのような不始末を二度とくり返すことがないよう、以下の対策を徹底するとともに、
社員一同心を引き締めて、専心努力していく覚悟でございます。
どうかお許しのほどお願い申しあげます。 敬具
記
対策1 ・・・
対策2 ・・・
対策3 ・・・
○○します(未来形)ばかりではなく、
いついつ○○しました(過去完了形)と対策の事実をいくつかでも書けると良いと思います。
また、未来形であっても、いついつ○○します(明確な期限付き)にすると説得力があがります
ここできちんとした対策を行うことがアピールになります
7)結び
再度のお詫びと、あいさつ
注意
「どうぞ、ご理解ください」とか、「何卒、事情察して下さい」の表現は、
こちらにもいくらかの言い分があり、相手を説得する必要があるときに使うものです。
謝罪が目的の文書では、相手に行動を指示するような表現は控えるべきです。
(注意事項)
いい訳はしない。謝罪の目的が逆効果になります。
容易に反論が出されるようなこと(主観的なこと、相対的なこと)は書かない。
(NGの例)
×幸い大事には至らなかったものの
(相手は大事だと思っているかも知れない)
一方、事実は詳細に記述する。
反論が出ない明らかにことについては強く謝罪すること。
ただし、こちらに非がないことまではわびる必要はありません。
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