2026年08月14日
シャドーAI対策は必至〜会社が決める前に、社員はすでにAIを使っている〜
生成AIの活用が急速に広がっています。
中小企業においても、「AIを導入するかどうか」を検討する段階から、「会社としてAIをどう活用するか」を考える段階に入っています。
ここで経営者が注意しなければならないのが、「会社が方針を決めるまで、社員もAIを使っていない」とは限らないことです。
会社が正式にAIを導入していなくても、社員が個人的にChatGPTなどの生成AIを使い、メールの文章を作ったり、資料を要約したり、企画のアイデアを出したりしている可能性があります。
会社や管理者が把握・承認していない状態で、社員が業務にAIを利用することを「シャドーAI」と呼びます。現在では、企業におけるAI活用を考えるうえで重要な問題の一つになっています。
シャドーAIが生まれる理由は、必ずしも社員に悪意があるからではありません。
「仕事を早く終わらせたい」
「分からないことを調べたい」
「文章をうまくまとめたい」
「便利だから使っている」
むしろ、仕事を効率化しようという前向きな行動から始まる場合もあります。
問題は、会社がその利用を把握していないことです。
例えば、社員が顧客情報、社内資料、契約内容、売上データ、個人情報、技術情報などを、会社が認めていないAIサービスに入力してしまう可能性があります。
また、AIが生成した内容を十分に確認せず、そのまま社外文書や業務上の判断に使用してしまうことも考えられます。
シャドーAIには、情報漏えい、コンプライアンス違反、セキュリティ上の問題、利用状況を会社が追跡できないといったリスクがあります。
だからといって、「会社でAIを禁止する」という対応だけでは十分ではありません。
AIはすでに身近な仕事道具になっています。
便利なものを全面的に禁止すれば、かえって会社から見えないところで利用される可能性もあります。
大切なのは、禁止することよりも「会社としてどう使うか」を決めることです。
例えば、
・会社として利用を認めるAIサービスを決める
・AIに入力してよい情報、いけない情報を決める
・個人情報や機密情報の取扱いを明確にする
・AIが作成した内容をどのように確認するかを決める
・業務での活用事例を社員同士で共有する
・社員にAI利用についての教育を行う
・AI利用に関する社内ルールを作る
こうした基本的な仕組みを整えることが第一歩です。IPAの生成AI導入・運用ガイドラインでも、組織での利活用ルールやガイドラインを策定し、文書化することが示されています。
経済産業省・IPAの「AI事業者ガイドライン」も、AIの便益を活かしながらリスクを抑えるためのAIガバナンスの重要性を示しています
会社がAIについて何も決めていないことも、一つのリスクです。
特に中小企業では、経営者が知らないうちに社員が便利なAIを見つけ、仕事に使い始めていることは十分に考えられます。
まずは社員に「仕事でAIを使っていますか?」と聞いてみることから始めてもよいでしょう。
そこで利用実態を把握し、禁止から考えるのではなく、安全に、そして積極的に活用するためのルールを整える。
シャドーAI対策は、AIを使わせないための対策ではありません。
AIを会社の力として活かしていくための仕組みづくりです。
【ブルーバード行政書士事務所】
契約書・規約・社内規程・各種ルールなど、事業運営に必要な文書の作成と運用を支援しています。
AI利用に関する社内ルールや規程の整備についてもご相談ください。
【ブルーバードビジネスデザイン株式会社】
AIの業務活用、DX、業務改善、社内の仕組みづくりなど、中小企業がAIを実際の経営や業務に活かすための支援を行っています。
AIを「使うか、使わないか」ではなく、「会社としてどう使いこなすか」を一緒に考えます。
posted by itoh_gyosei at 00:00| 事業経営