2026年05月27日
AI時代に契約書の作成を依頼する意義
AIの進化によって、契約書も自分で作成できる時代になりました。
実際、インターネット上には、契約書のひな形や、
AIによる契約書作成サービスも数多く存在しています。
(と言う私も、特商法対応法定書面のひな形を販売しています)
そして事実として、契約書作成を仕事としている私自身も、日常的にAIを活用しています。
では、何が違うのでしょうか。
その違いは、「誰が責任を持っているのか」
そして、「どのような意図でAIを使っているのか」にあります。
AIは非常に便利です。
文章を整える。条文を提案する。抜け漏れをチェックする。表現を比較する。
こうした作業において、AIは非常に優秀です。
しかし、AIは、その契約の背景事情を本当の意味では理解していません。
・なぜこの契約を結ぶのか
・本当に守りたいものは何か
・どこにリスクがあるのか
・相手との力関係はどうか
・将来どんなトラブルが起こり得るのか
・現場ではどのように運用されるのか
こうしたことは、実際の事業や人間関係を見ながら、判断していく必要があります。
つまり、契約書とは、単なる文章ではありません。
「事業のルール」であり、「将来の判断基準」であり、「人間関係の設計図」でもあります。
だからこそ、
AIを使うとしても、最終的には、人間が責任を持って設計しなければなりません。
例えば、
同じ業務委託契約書でも、
・継続取引なのか
・単発なのか
・上下関係が強いのか
・共同で育てていく関係なのか
によって、本来入れるべき条項や、表現の強さは変わります。
また、
契約書は、「相手との関係を壊さない」という視点も非常に重要です。
法的に正しいだけでは、良い契約書とは言えません。
現実のビジネスでは、
信頼関係、運用、感情、現場の負担、説明のしやすさなど、
様々な要素が絡み合っています。
AIは、文章を作ることは得意です。
しかし、
「この条文を入れることで、相手がどう感じるか」までは、まだ十分に読み切れません。
だからこそ、AI時代になった今、逆に、「誰に相談するか」の価値が高まっているとも言えます。
重要なのは、AIを使うかどうかではありません。
AIを、誰が、どのような思想と責任感を持って使うのかです。
AIは道具です。
そして、その道具を使って、事業の未来や人間関係まで見据えながら設計するのは、
やはり人間の仕事なのだと思います。
ブルーバード行政書士事務所
posted by itoh_gyosei at 00:00| 契約書、法律