昔、様々な分野で多彩な才能を発揮された、岡本太郎さんが、
本職を尋ねられたときに、「人間」と答えたそうである。
「人間」を本職として、生涯「人間」に専念された、
岡本太郎さんは、当時は、変なおじさんとして、
見られたところも多分にあったと思います。
「副業」の自由化が話題となる昨今ですが、これからの時代、
まさしく、「人間」を本職として、生きる時代だとと思います。
どんな「副業」をするにせよ、本職の「人間」が問われる時代
だと思います。
人類は滅亡するかもしれない、と不安気に言う人が多くなった。
いや、絶対に滅びない、頑張る楽観説もある。
僕は両方の説に腹が立つ。
滅びったっていいじゃないか。当たり前のこと。ぼくはそう思う。
ぼくがここで問題としたいのは、人類全体が滅びるかとういう
漠とした想定よりも、いま現時点で、人間の一人ひとりは
いったい本当に生きているだろうかということだ。
本当に生きがいをもって、瞬間瞬間に自分をひらいて生きて
いるのだろうか。
人間本来の生き方は無目的、無条件であるべきだ。
それが誇りだ。
死ぬのもよし、生きるもよし。
その瞬間にベストをつくすことだ。現在に強烈にひらくべきだ。
未練がましくある必要はないのだ。
一人ひとり、になう運命が栄光に輝くことも、また惨めである
ことも、ともに巨大なドラマとして終わるのだ。
人類全体の運命もそれと同じようにいつかは消える。
それでよいのだ。無目的にふくらみ、輝いて、最後に爆発する。
平然と人類がこの世から去るとしたら、
それがぼくには栄光だと思える。
